幻冬舎「はじめてのけん玉」レビュー


ちょっと小さい推奨けん玉

  はじめてのけん玉は日本けん玉協会「推奨品」のけん玉です。段位よりも下、「級位」の認定に使用できます。

 

 特筆すべきはそのサイズ。認定けん玉よりもひとまわり小さく、重量も軽いため未就学児のお子さんの手にぴったりです。海外のけん玉がちょうどよく感じる大人の男性には少し小さいかも。

 

 認定けん玉をアレンジしたモデルということで各部のバランスは認定けん玉に似ています。

 

 けん表面の仕上げは若干粗めで、国産物よりもざらざら。 玉の質感はTK-16masterと同じくらいツルツル感。


驚きの乗せやすさ

  はじめてのけん玉は所詮ミニけん玉、などと侮れないプレイアビリティを持っています。このモデルの皿は認定けん玉とほぼ同じサイズなのです。

 普通サイズの玉は皿に「乗る」感じですが、こちらは「収まる」感じ。大皿~小皿、ろうそくなどの基本技がとてもやりやすい。そして「もしかめ」が気持ちいい!プレイしている間、カンカンと可愛らしい音が響きます。

 難点もいくつかあります。仕上げの粗さ、剣先の太さ、玉の塗装。けん表面がきれいに研磨されていないので指ざわりが悪く、少しチクチクする部分があります。トゲとまではいかなくとも、多少のササクレもありました。さらに剣先が認定けん玉よりも若干太いため、剣先に収める技も剣先から飛ばす技も若干つっかえる時があります。本格的に使っていきたい場合は紙やすりで表面を整えましょう。検定に使用しないのであれば剣先を細く整形しなおしてしまうのも良いと思います。

 

 玉の塗装はTK16並にツルツルしているので静止系がかなり難しいです。全くの初心者が灯台練習用のけん玉として選ぶのにはふさわしくありません。灯台より前、2級までの技ならこのけん玉で十分マスターできます。


まとめ

<子どもに向いているかどうか>

 向いていると思います。サイズが小さいだけでなく重量が軽いのもポイント。けん玉は反復練習が求められるので小さいお子さんはなるべく軽いものを使ったほうが体への負担を減らすことができます。お子さんに買い与える際は念のため渡す前にバリやササクレがないかよく確認してください。

 

<大人が買う価値はあるか>

 「変わり種」が好きな人にはたまらない一品だと思います。変わってるけど、変ではなくて、ちゃんと遊べるのが素晴らしい。携行性の高さも魅力です。 僕がコンビニとか行く時に使ってるミニバッグにもすっぽり入ります。スキルトイプレイヤーの「なんとなく持っていたい」欲求に答えてくれるサイズ感です。

 

<デザインの違いに注意>

 はじめてのけん玉は赤だけラインナップされていた初期ロットと2016年2月末に発売されるカラバリ豊富な新ロットがあります。新ロットは推奨品シールが金ぴかではありません。検定けん玉風の金ぴかシールが好きな人は初期ロットがあるうちに購入することをおすすめします。


おまけ:ササクレ対処法

 はじめてのけん玉に限らず、木製品は材によって細かいササクレが多く発生することがあります。顕著なものだと何度サンディングしても布などの「ひっかかりやすいもの」に触れると再びササクレが発生してしまうこともあります。ニスでコーティングするなど対策はいくつかありますが、けん玉の場合もとの外観・質感からかけ離れる処理は前向きに施したくありません。

 

 見た目はそのままでササクレを出さないようにするにはどうすればよいか。僕は「ほつれ止め」を使ってこの問題をクリアしています。

 

 ほつれ止めとは手芸用品のひとつで、ポリアミドなどの樹脂を溶剤で溶かした液体です。ボタンの糸や布地のステッチに数滴たらすことで樹脂が「ほどよく」糸を固めてくれるのです。瞬間接着剤のように硬化後の硬度が高いものは力が加わると浸透した材もろとも割れてしまうことがあるのですが、ほつれ止めにはそういう心配がない(または少ない)のです。見た目の変化も瞬間接着剤ほど起こりません。

 

 けん玉のササクレ部分をサンディングしてからほつれ止めをしっかり塗り込んで浸透させ、溶剤が揮発したら再度サンディング。

 

 こうすることで見た目(木の色味)をほとんど変えずにササクレを防ぐことができます。この処理を施したけん玉は検定に使用できない可能性がありますので、その点だけ注意してください。