はじめに ~ヨーヨーとは~


  世界各地に存在しているにも関わらず、はっきりとした起源やルーツが明らかになってない神秘のおもちゃ「ヨーヨー」についてお話します。

 

現代のヨーヨーに直接繋がるヨーヨーが生まれたのは1920年代に入ってから。フィリピン移民ペドロ・フローレスが販売していたフローレスヨーヨーと、そのヨーヨーを元にしたダンカンヨーヨーによって現代ヨーヨーの歴史が始まりました。ドナルド・ダンカンはペドロを自社に迎え、工場による量産、テレビコマーシャルの実施、コンテストの開催といったこれまでに無い規模のプロモーションを行いました。

 

数度のブームを経験しつつ定番玩具として進化を続けてきたヨーヨーは96年頃にアメリカで大ブームを巻き起こしました。80年代に誕生した「ベアリング(軸受け)内蔵によって長く回るヨーヨー」「自動リターン機能を内蔵したヨーヨー」がスタープレイヤーの台頭によって人気を博し、新たなスポーツホビーとしての立場を確立し始めたのです。

 


そのヨーヨーを株式会社バンダイが日本向けに再パッケージし輸入販売したものがご存知「ハイパーヨーヨー」です。日本では高性能ヨーヨー=バンダイが作ったハイパーヨーヨーというふうに認識されていますが、実はモノ自体は海外メーカー製のヨーヨーと同じものだったのです(一部バンダイ企画の商品もあります)

 

ハイパーヨーヨーは社会現象となり、かつてないほどのプレイ人口増加をもたらしました。舶来品としての魅力と突き詰めれば突き詰めるほどストイックな練習が求められる性質が日本人にマッチしたのでしょうか。日本の技術レベルはまたたく間に世界トップクラスとなり、世界大会の上位に日本人が名を連ねるようになりました。

 

そんな大ブームも00年代に入ると一気に収束し、多くの人にとってヨーヨーは一過性の流行りモノという存在に落ち着くことになりました。

 

ブーム終了後も流行り廃りに左右されないヨーヨープレイヤーは数多く存在し、バンダイを介さないヨーヨーの輸入販売、有志による大会開催、交流会の開催が続いて行きました。ハイパーヨーヨーがなかった海外に近いスタイルでヨーヨー文化が根付いてきた、ともいえるでしょう。

 

00年代、海外では新しく生まれたメーカーと既存のメーカーが更に高性能なヨーヨーを開発し始めました。

 


左右のボディの間隔を広く取ることでスムーズな動作を実現したヨーヨーや、あえて戻りを悪くすることでスリープ(空転)時間を延ばしたヨーヨーが生まれたのです。

 

極めつけはボディのフチ(リム)に金属パーツを埋め込んだヨーヨーの登場です。「金属リムヨーヨー」と呼ばれるこのヨーヨーは回転力学をヨーヨー設計に取り込んだもので、それまで存在したヨーヨーとは比べ物にならない回転力を持っていました。これを期にヨーヨーの設計思想は大きく進歩していきます。

 


特殊なトリック(技)を行わない限り一切戻ってこないヨーヨー、大径ベアリングでさらなるスムーズさを得たヨーヨー、ヨーヨーを戻すための仕組み(レスポンス)に交換可能なゴムやステッカーを採用したヨーヨー、金属を航空機部品並の精度で削り出したヨーヨー、複数の金属を接合したヨーヨー…

 

ヨーヨーはプレイヤーの技術レベルに対応すべく進化し、そのヨーヨーによってプレイヤーもさらに進化していく。ヨーヨーとプレイヤーの切磋琢磨はブームの外で着々と続いていたのです。

 

Colin Wanさん(@buffywan)が投稿した写真 -

@robtsouが投稿した写真 -


そして現在、日本にはいくつものヨーヨーメーカーが存在し、ヨーヨーはブームにとらわれないスポーツ・クールカルチャー・サブカルチャー・ストリートカルチャーとして親しまれています。2015年には世界大会が初めて国内で開催され、その様子は各種メディアにて報道されました。

 

ヨーヨーは国籍、年齢、性別を問わず楽しめる玩具です。技を覚えるもよし、コレクションするもよし。写真の被写体にするもよし、コミュニケーションツールとして使うもよし。遊び方に決まりなんてない。必ずしも上手くなる必要なんてない。競技者にならずとも大会を観戦するだけでもいい。ヨーヨーはたくさんの可能性を持っています。

 

ヨーヨーに興味がわいてきたら、まずはヨーヨーを購入して基本である「技を覚える」遊びをしてみましょう。「おすすめの入門ヨーヨー」のコーナーを参考にして最初の相棒となるヨーヨーを選んでください。

 

 


ヨーヨーのトリックとプレイスタイル

ヨーヨーのトリックは「ルーピングトリック」「ストリングトリック」のふたつに大別することができます。

ルーピングトリックはヨーヨーで大きな輪を描くトリック群です。連続して輪を描くため「丸型」「幅狭」「軽量」「戻りが強い」ヨーヨーを使います。

例えばこんな形。この形状は「ルーピング型」と呼ばれます。

 

同形状でも、ルーピングに特化しない幅と戻りのモデルは「色々なトリックに対応できる」という意味から「オールラウンド型」と呼ばれることがあります。

 

 

ストリングトリックはヨーヨーをストリングの上に乗せたり、ストリングを複雑に絡ませたりするトリック群です。

 

細いストリングを狙ってヨーヨーを動かす必要があり、さらにその状態のまま回転をキープする必要があるため「鼓型」「幅広」「重量」「戻りが弱い」ヨーヨーを使います。

 

こんな形のヨーヨーです。蝶々のように見えることから「バタフライ型」と呼ばれています。

 

このように現在ではそれぞれのトリック群に適したヨーヨーを使うのが主流となっています。両方の基本トリックに対応するオールラウンドなヨーヨーは初心者向けの一部にのみ留まり、大多数はどちらかに特化した設計で作られています。

これらふたつのトリック郡をさらに発展・細分化させたものが「プレイスタイル」です。ヨーヨーの大会はこのプレイスタイルごとに部門分けして行われています。代表的なものは以下の5つ。

シングルハンドストリング(部門名:1A、SS

ひとつのヨーヨーを使って「ストリングトリック」を行うプレイスタイルです。その手軽さと奥深さは全プレイスタイル中トップクラス。プレイ人口が最も多いスタイルでもあります

 

ツーハンドルーピング(部門名:2A、DL)

ふたつのヨーヨーを使って「ルーピングトリック」を行うプレイスタイルです。そのダイナミックな動きからヨーヨーの花形スタイルとも呼ばれています。2Aは基本的にツーハンドを差す言葉ですが片手のルーピングプレイも含めて2Aと呼ぶ人も居ます(特に海外)

 

ツーハンドストリング(部門名:3A、DS)

ふたつのヨーヨーを使って「ストリングトリック」を行うプレイスタイルです。相互に作用するヨーヨーをコントロール必要があるため2Aと並んで入門難易度の高いスタイルとされています。

 

オフストリング(部門名:4A、OS)

ストリングとヨーヨーを結ばずに「ストリングトリック」を行うプレイスタイルです。まさに離れ業といったスタイルで、ミスをすればヨーヨーがどこかに飛んでいってしまうリスキーさとヨーヨーが宙を舞う華やかさが魅力。

 

カウンターウエイト(部門名:5A、CW)

4Aとは逆で、ストリングと指を結ばずに「ストリングトリック」を行うプレイスタイルです。指に結ぶはずのストリングはカウンターウエイト(穴をあけたサイコロなど)に結ばれるため1Aとも4Aとも異なる特性のストリングプレイが楽しめます。 

 

すべてのプレイスタイルを満遍なくプレイする人もいればどれかひとつのスタイルに注力する人もいます。基本テクニックを習得したら一通り試してみて自分の好みの方向性を探ると良いと思います。

 

 


「戻らないヨーヨー」と「バインド」

ストリングトリックが高度化し始めるとプレイヤー達は「長時間スリープすること」 「良好なすべりを持つこと」 「急に戻ってこないこと」をヨーヨーに求めるようになりました。

 

※すべり:ヨーヨーがストリングの上でスムーズに動く度合い

 

そうして生まれたのが手を引いただけでは戻ってこない「バインドヨーヨー」と、それを任意のタイミングで戻すための特殊トリック「バインド」です。

 

ご覧の通りバインド仕様のヨーヨーは手を引いただけでは戻ってきません。

 

 

このヨーヨーを戻すためにはヨーヨーの中心にあるレスポンス(ストリングを巻き取る部分)とストリングを触れさせる必要があります。

 

それらを触れ合わせる、つまり意図的にストリングを噛ませるトリックが「バインド」です。

 

バインドは高度なストリングトリックを行う上で必須のトリックです。ヨーヨーの基本動作に慣れてきたらバインド対応・バインド必須のヨーヨーを購入して練習しましょう。