引き戻しヨーヨーを楽しもう


引き戻し。それはヨーヨーの最も基本的な仕様であり、遊び方。ほとんどのヨーヨープレイヤーが通り、そして通り過ぎていく道。

 

基本は覚えた。さよなら引戻し。こんにちはバインド。

 

その流れに乗る人が多数を占める中、1A引戻しの魅力に魅せられ続けている人もある程度存在していました。

 

そして現在、じわじわと広がる固定軸ブームに続く形で引戻しプレイの再燃が起き始めています。 

 


引き戻しの魅力

①バインドが不要

引き戻しヨーヨーは手を引くだけでヨーヨーが戻ります。トリックを行い、ストリングテンションを下げた瞬間、ヨーヨーが手に戻るんです。このクイックさに気づいてしまうとバインドが煩わしく感じてしまうことも。

 

②ワインダーからの直キャッチが可能

引き戻しヨーヨーは最も基本的なワインダーから直接ヨーヨーをキャッチすることができます。バインドの行程が入らないことでミスからのリカバリーもクイックに行えます。

 

③バインドヨーヨーとは異なる技術が要される

ボールベアリング搭載のモデルなら引き戻しでもある程度高度なトリックに対応できますが、すべりと回転時間はバインドヨーヨーと比べて大きく劣ります。

 

常にストリングテンションを適切に保ち、技術によってすべりを生み出し、最短のルートでムーブし、スリープロスを最低限に押さえ、最後にはキャッチする。そこにはビデオゲームの縛りプレイにも似た楽しみがあります。

 

プラスティックウィップひとつとっても、バインドヨーヨーなら何も考えずに出来ますが、引き戻しの場合はストリングのテンションと軌道に注意していなければ成功しません。

 

④トリック選びと開発に変化が生じる

引き戻しヨーヨーでは長時間のスリープと万全なすべりを要するトリックが難しくなります。そのため「引き戻しヨーヨーで十分行えるトリック」を選んでプレイすることになります。オリジナルトリックを考える場合も、引き戻しならではのエレメントを含んだトリックや、バインドヨーヨーほどの性能が必要にならないエレメントのトリックを作るきっかけになります。バインドヨーヨーだけを使っていては見えてこない新しい可能性をみつけることができるかもしれません。

 


引き戻しメンテの基本

引き戻しメンテで重要なポイントは「レスポンスとオイルの両方で戻りを作る」ことです。

 

いま最もメジャーなサイズC・サイズCマイナスの切り替えでコンディションを変えることができるヨーヨーを例にして解説します。

 

ヨーヨーを手に戻すにはストリングがヨーヨーに巻き取られる必要があります。ストリングを巻き取る役目を担うのはご存知の通りレスポンスです。バインドをしなくてもレスポンスとストリングが触れる状態を作らなければいけません。いくつかのパターンで状態を考えてみましょう。

 

<サイズCにオイルを注油する>

まずはサイズCにオイルを注してみましょう。注油すると初期巻き取りが発生するようになります。

※初期巻き取り:レスポンス接触前に発生するストリング巻取り現象。詳しくはこちら

 

 初期巻き取りによってなんとなく戻ってきそうな気配を感じますが、ギャップが広いためストリングとレスポンスが接触しません。戻ってきてもまぐれ当たりの域を出ないレベルです。これでは使い物になりません。

 

<ドライのサイズCマイナスを入れる>

 次に脱脂したサイズCマイナスを入れてみましょう。

 ギャップ問題は解決していますが安定して戻りません。ドライベアリングで初期巻き取りが発生していないためです。こちらもまぐれ当たりでしか戻りません。

 

<注油したサイズCマイナスを入れる>

今度はオイルを注したサイズCマイナスを試してみましょう。

 オイルによってしっかりと初期巻き取りが発生し、続いてレスポンスとの接触による本巻取りがしっかりと発生します。これが「レスポンスとオイルの両方で戻りを作る」ということです。

 


オイルの選択と注油

おすすめは粘度の高い「ルーピングプレイ向けオイル」です。これを1/4~1/2滴注油すればとりあえずの引き戻し用ベアリングが完成します。

 

もちろんストリングプレイ向けオイルを使うこともできますが、初期巻取りを発生させるためにはルーピングプレイ向けオイルよりも多めに注油する必要があり、さじ加減を誤るとプレイ中にオイルが漏れ出してしまうことがあります。

 

そういった理由から、まずは調節がしやすいルーピングプレイ向けオイルを使うことをおすすめします。慣れてきたらストリングプレイ用を使ったり、2種類のオイルをブレンドしたりしてみましょう。

 

注油の際はボトルから直接注がず、ピンセットでオイルの雫を拾うようにすると注油量がコントロールしやすくなります。

 

注油が完了したら指でやさしく回してオイルをまんべんなく馴染ませて慣らします。

 

慣らしが完了したらパーツクリーナーを含ませたティッシュなどでベアリング全体をやさしく拭いて下さい。余計な部分に付着したオイルを完全に除去することでストリングとレスポンスの汚損と毛細管現象によるオイルの滲出を防ぎます。

 


レスポンスの選択

厚手のレスポンスを貼ったり、溝を底上げしてからレスポンスを貼ると、ボディからレスポンスが露出します。ツライチの状態よりも戻りが強くなるため初心者向けのモデルは最初からこの状態になっていることがあります。

 

強い戻りが得られる反面、すべりや回転時間は大幅に減少します。とにかく戻り重視な人向けのメンテナンスです。このメンテをする場合もベアリングの注油は忘れないようにして下さい。

 

 


ストリングの長さ

引き戻しヨーヨーはストリングテンションが下がった時に巻き取りが起こります。トリックのプレイ中は常に一定のテンションを保つ必要があります。

 

長いストリングはテンションの維持やヨーヨーのコントロールが難しくなるので短めのストリングを使うことをおすすめします。まずは「床からおへそジャスト」の長さで試して、そこから微調整してみて下さい。

 


ストリングの選択

ストリングの素材と太さも戻りの強さやすべりに大きく影響します。

 

いい感じのメンテができた。でも何か足りない。あと少しだけ調節したい。

 

そんなときは下手にヨーヨーをいじらず、ストリングを違うものに交換してみましょう。

 


メンテナンスの例

僕のメンテ例をざっくりと紹介します。

 

オイルは販売終了品を含む多種多様なものを使っていますが、2017年現在入手しやすい中だとダンカンのルーピングオイルとV4Mがおすすめです。それぞれ単体で使ったり、ブレンドして調整したりしています。

 

例えばディープステートにはダンカンとV4Mを1:1でブレンドして、合計で1/2滴くらいを注油しています。

 

ストリングは自作のサスティーンストリングを使っています。太さはKストのFat~XL程度。リジェネやルーピングを多く行うので頑丈さを優先した太さを選んでいます。長さは90cm~100cmくらいです。

 

レスポンスはツライチのものを貼ることがほとんどです。ティーチング用ヨーヨーのように戻りの強さが最優先になるものに限り厚めのレスポンスを貼っています。

 


引き戻しヨーヨーを使用したビデオ(2015-2017)

SPINGEAR "STEP1"

onedropyoyos "Deep State"


onedropyoyos "Deep State"

Rain City "The Gamer"


CoreCoYoyos "Alley Cat"

Spencer Berry's "Walter"